トレード日誌のつけ方:数分で終わる毎日のルーティン
目次
トレード日誌は、各トレードを3回に分けて短く記録します。セッション前にプラン、トレードのたびにいくつかの主要項目、セッション後にRでの結果と教訓を1つ。毎日続けられるくらい短くしておくことが大切です。1週間だけ書いてやめた日誌からは、何もわかりません。
CME Groupのトレードプラン講座は、シンプルにこう述べています。勝ったトレードはなぜ勝ったのかを正確に知りたいし、負けたときも同じことを知りたい。そのためのルーティンを、先物の記録例とあわせて紹介します。
トレード日誌が続かない理由
よくあるパターンはこうです。40列のスプレッドシートを3日間丁寧に埋め、「今日だけ」と飛ばし、そのまま忘れる。問題は規律ではありません。日誌にかかる手間が、得られるものより大きく感じられることです。
解決策は、作業を分けること。あとから再現できないもの(エントリーの理由とそのときの心理状態)だけをトレードの瞬間に記録し、分析は毎週決まった時間に回します。記録する価値のある項目の一覧は、トレード日誌テンプレートで18項目を紹介しています。この記事は、それを埋めていく習慣についての話です。
セッション前:2分
最初のトレードの前に、次のことを書き出します。
- 今日の上限。1日の最大損失、最大トレード数。プロップ口座なら、日次損失上限とドローダウンのフロアまでの距離も。
- 1トレードあたりのリスクを、ドルと、いつものストップ幅での枚数で。
- 狙うもの。セットアップは1つか2つ。起こりうることを全部並べたリストではありません。
- 予定されたイベント。セッション中の経済指標の発表と、その時刻。
- ひと言で状態チェック:元気、疲れている、焦っている、イライラしている。
ここは多くの人が飛ばす部分ですが、残りの記録に意味を持たせるのはこの部分です。「プランを守れたか」を評価できるのは、プランがあったときだけです。
セッション中:1トレードあたり約20秒
エントリー直後に(エントリー時が忙しければエグジット直後に)、次を記録します。
- 銘柄、売買方向、サイズ:MNQ、ロング、3枚。
- エントリー、ストップ、ターゲットをポイントで。
- セットアップ名。あとでフィルターできるよう、毎回同じ名前を使います。
- 1行の理由:「オープニングドライブ後のVWAPへの押し目」。
- 結果ではなく判断のグレード:プランどおりならA、ほぼプランどおりならB、そうでなければC。
判断を結果とは別に評価することが、このルーティン全体でいちばん役に立つ習慣です。利益が出たCグレードのトレードもCのまま。そして、来週あなたに損をさせる可能性が最も高いのが、そのトレードです。
セッション後:5分
- エグジットと損益を追加します。数字を正確にするなら、プラットフォームのCSVからインポートします。
- 各結果をRに換算します:損益 ÷ 計画したドル建てのリスク。これでサイズの違うトレードを比べられます。詳しくはRマルチプルの解説をご覧ください。
- トレードごとにスクリーンショットを1枚保存し、エントリー、ストップ、エグジットを書き込みます。
- いつもと違う点にタグを付けます:ニュース、ストップを動かした、サイズ過大、リベンジ、エントリーの遅れ。
- 教訓を1つ、1文で書きます。5つではなく、1つ。
CMEの講座も同じ考え方を勧めています。毎日の結論を書き留めておけば、あとで見返せます。
記録例:MNQの1セッション
プラン:1トレードあたりのリスクは$120。20ポイントのストップでMNQ 3枚です(20 × $2 × 3 = $120)。1日のストップは−$240、つまりフルの損失2回分。MNQは1ポイント$2です。ほかの銘柄は先物のティック値一覧にまとめています。
| # | トレード | サイズ | 結果 | 損益 | R | グレード |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ロング、計画どおりのセットアップ | 3 MNQ | +30 pt | +$180 | +1.5R | A |
| 2 | ロング、計画どおりのセットアップ | 3 MNQ | −20 pt | −$120 | −1.0R | A |
| 3 | ショート、セットアップなし、サイズ2倍 | 6 MNQ | −15 pt | −$180 | −1.5R | C |
この日は手数料を引く前で−$120、つまり−1Rで終わりました。トレード3がなければ+$60でした。トレード3は負けた直後に、セットアップなしで、サイズを2倍にして入ったもの。リベンジトレードの解説記事に出てくる典型例です。
この日の教訓は自然と決まります。「負けたあとの次のトレードは通常サイズで、計画したセットアップのときだけ」。この1文は損益よりも価値があります。自分で変えられるのは、そこだからです。
グレードが何を示しているかに注目してください。2つのAトレードは、勝ち1回とフルの負け1回で合計+$60。Cトレードは1つだけで$180の損失です。1か月で見ると、AトレードとCトレードの差が、日誌全体の中で最もはっきりした数字になることがよくあります。
週1回:30分
毎日の記録は素材です。それが実を結ぶのが週次の振り返りです。次の点を見ます。
- 合計R、セットアップ別のR
- AグレードとCグレードの結果の比較
- 「リベンジ」「ストップ移動」のタグが付いたトレードと、そのコスト
- 成績が最も良い時間帯と悪い時間帯
そのうえで、翌週に守るルールを1つ決めます。手順は週次のトレード振り返りで、30分でできる形にまとめています。
スプレッドシート、ノート、アプリ?
毎日使うなら、どれでも構いません。それぞれの長所と短所は次のとおりです。
- 紙のノート:すぐに始められるが、フィルターや集計はできない。
- スプレッドシート:柔軟で無料だが、数式、ポイント値、インポートは自分で管理する。
- 日誌アプリ:インポート、R、統計を自動で処理してくれる。注意点は、記録よりダッシュボードを眺める時間が長くなりがちなこと。
どれを選ぶにしても、特定のブローカーやプロップファームから切り離しておきましょう。そうすれば、会社を変えても履歴が残ります。理由はプロップファームが閉鎖したらどうなるかで説明しています。
習慣を続けるための5つのルール
- その日のうちに記録する。負けトレードの記憶は、数時間で書き換わります。
- トレードしなかった日も記録する。「トレードなし、セットアップなし」も立派な記録で、連続記録も途切れません。
- セットアップ名とタグは毎回同じものを使う。そうしないとフィルターが役に立ちません。
- 結果ではなく判断を評価する。
- 1日に教訓1つ、1週間にルール1つ。
TJはこのルーティンを前提に作られています。Log It!は約20秒でトレードを記録し、Rate It!は自分のチェックリストに照らしてセットアップを評価し、インポートでプラットフォームのCSVから正確な約定を取り込めます。さらに、日誌の連続記録(「No trade today」オプション付き)で毎日の習慣が目に見えます。無料で始めるか、デモを試してみてください。
先物取引にはリスクがあります。CFTCの先物市場の基礎ガイドは、多くの個人が資金をすべて失うと警告しています。TJはトレード日誌ソフトであり、金融アドバイスではありません。
よくある質問
トレード日誌には何を書けばいいですか?
トレードごとに、銘柄、売買方向、サイズ、エントリー、ストップ、ターゲット、セットアップ名、1行の理由、プランをどれだけ守れたかのグレード、ドルとRでの結果、スクリーンショット、いつもと違う点のタグ。セッション前には上限とプランを、セッション後には教訓を1つ書きます。
日誌には毎日どれくらい時間をかけるべきですか?
セッション前に約2分、セッション中は1トレードあたり約20秒、セッション後に5分。これに週1回、30分の振り返りを加えます。
トレードしなかった日も日誌をつけるべきですか?
はい。「ノートレード、セットアップなし」のような短いメモでも、良い判断の記録になり、毎日の習慣が途切れません。それが何か月も役立つ日誌の条件です。
トレード日誌はスプレッドシートで十分ですか?
毎日続けられるなら十分です。欠点は、数式、銘柄ごとのポイント値、インポートを自分で管理しなければならないこと。アプリならそれを代わりにやってくれます。
なぜ結果とは別にトレードをグレード評価するのですか?
ルールを破ったトレードでも利益が出ることがあるからです。判断をグレード評価すればプランを守れたかがわかり、1か月分のAグレードとCグレードのトレードを比べれば、ルール違反の本当のコストが見えてきます。
トレードを約20秒で記録
TJのLog It!はセットアップ、サイズ、結果を記録し、Rate It!はプランをどれだけ守れたかを評価します。日誌の連続記録が習慣を支えます。ベータ期間中は無料です。
出典
- CME Group: Building a trade plan, Step 5: Keep a trade log(2026年10月5日確認)
- CFTC: Futures Market Basics(2026年10月5日確認)